sapa_highway です。涼しいのが一番いいです。
今回は、サービスエリアやパーキングエリアの壁に必ずと言ってもいいほど貼られている『供用約款』についてです。ゆっくり落ち着いて全部読む人はまずいないと思いますが、今回ブログのために6社(NEXCO3社・JB本四高速・首都高速・阪神高速)の供用約款を読みました。尚、各県の道路公社は今回対象外とします。
NEXCO西日本 供用約款 |
『供用約款』とは?
NEXCO西日本のホームページにさらりと解説してあるので、そのまま一部をコピペしますと、
高速道路の供用に関し、道路整備特別措置法第6条第1項の規定に基づく料金の額や徴収などについて定めた
ものだそうです。
高速道路各社で違いがあるのかどうか、見てみましたが、NEXCO東日本・中日本・西日本とJB本四高速の4社は全くの同じです。この4社の違いは会社名だけで、中身は完全に同じです。
首都高速と阪神高速も、先の4社とほぼ同じです。一部、無い条項、書き方が異なっているのがあるだけで、そこ以外は全く同じです。
『供用約款』の中身は、全部で10の条文からできております。中身まで全て書きませんが(最後に6社のリンクをつけておきます)、条文のタイトルを以下に記します。
【NEXCO3社・JB本四高速】
第1条 約款の効力
第2条 料金の額
第3条 料金の徴収
第4条 通行券の所持等
第5条 割増金
第6条 供用の拒絶等
第7条 スマートインターチェンジにおける車両の進入又は退出
第8条 係員の指示
第9条 会社の責任
第10条 利用者の責任
上記がNEXCO3社とJB本四高速の供用約款であり、首都高速と阪神高速は一部異なります。
【首都高速】
第1条 約款の効力
第2条 料金の額
第3条 料金の徴収
第4条 割増金
第5条 供用の拒絶等
第6条 ETC専用入口における車両の進入
第7条 係員の指示
第8条 会社の責任
第9条 利用者の責任
【阪神高速】
第1条 約款の効力
第2条 料金の額
第3条 料金の徴収
第4条 割増金
第5条 供用の拒絶等
第6条 係員の指示
第7条 会社の責任
第8条 利用者の責任
首都高速・阪神高速は、第4条の「通行券の所持等」が無く、そのためにそれ以下が一つ繰り上がっております(4社の5条が首都高の4条。以下6条が5条となります)。
NEXCOら4社の「通行券」。首都高速・阪神高速の両社でこれに該当するものは、近いものでは「領収書」となります。「ETC車」ならデジタルなので、通行券に相当するものが無いのですが、「現金車」の場合、最初の料金所で現金払いをしたら「領収書」がもらえるのですが、その時に全線走行可能な金額を支払うので、NEXCOら4社の様にどこからどこまでの区間を走行したかの目安になる「通行券」により、支払う金額を計算するようなことはありません。なので区間で料金を判定するような「通行券」は必要ではありません。
そのため、第4条の「通行券の所持等」の条文が削除されています。
そして、NEXCOら4社の第7条に相当する、首都高速の第6条がタイトルが異なっております。
ETC専用入口における車両の進入
「スマートインターチェンジ」ではなくて、「ETC専用入口」という表現を使用しております。これは首都高に「スマートインターチェンジ」が存在しないのが原因だと思います。そのために「ETC専用入口」としたものと思われます。
「スマートインターチェンジ」とは何か?
国土交通省の道路局のホームページからそのまま抜き出しますと、
スマートインターチェンジ(スマートIC)は、高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設置されるイ ンターチェンジであり、通行可能な車両(料金の支払い方法)を、ETCを搭載した車両に限定しているインターチェンジです。
出典:国土交通省道路局ホームページ (https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/smart_ic/index.html)
そして、「スマートインターチェンジ」の『定義』は、
スマートICとは、高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第11条の2第1項の規定又は道路法(昭和27年法律第180号)第48条の5第1項の規定に基づき連結許可を受けた道路法上の道路で、道路整備特別措置法施行規則(昭和31年建設省令第18号)第13条第2項第3号のETC専用施設が設置され、専ら同号イに規定するETC通行車の通
行の用に供することを目的とするICである。
出典:国土交通省道路局ホームページのスマートインターチェンジ整備事業制度実施要綱の第2定義(1)より(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/smart_ic/smart_youkou.pdf)
という事なので、高速自動車国道法の対象にならない自動車専用道路である、首都高速・阪神高速には「スマートインターチェンジ」が存在しないという事になります。それゆえに、「ETC専用入口」という表現を使用しているものと思われます。
4社の1項の部分が、首都高速の1項と3項に分割されております。
4社の2項の部分は、ETC車が4社が入退出について記述されているのに対して、首都高速は進入時のみの記述になっております。
(4社の第2項)
利用者は、スマートインターチェンジにおいて高速道路への進入又は高速道路からの退出可能な時間帯が標識その他の方法によって表示されている場合は、当該表示に従わなければならない。
(首都高の第2項)
前項の規定にかかわらず、ETC専用入口にETC通行車以外の通行車両が進入した場合において、当該入口から退出できずにやむを得ず通行せざるを得ない場合は、利用者は、会社が別に定めるところにより、高速道路の料金を支払うものとし、通行するものとする。
首都高速は、「現金払い」の時は初乗り金額で首都高速全線乗車できるので、首都高速退出時のチェックが必要がないために規定が無いものと思われます。
「ETC車」の場合、距離に応じた金額になるので、進入時にETCを装着して退出時にETCカードが読み取れない場合を想定しているものと思われます。
尚、阪神高速は、NEXCOら4社の第7条、首都高速の第6条に相当する条項が存在しません。阪神高速の料金体系は首都高速と同じ(ETC車は距離に応じて、現金車は初乗り金額で全線走行可)ですが、この条文が完全に削除されております。
長くなりすぎたので、『供用約款』の中身については、次回にしたいと思います。
尚、参考にした高速道路会社6社の『供用約款』のホームページのリンク一覧を下記に記します。
※国土交通省道路局の参考したホームページのリンクは本文中に記述済
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