体重が増えつつある。あかんやつや、これ。
法律という、とてもお堅い話です。「似合わない」と思わないで下さい(いやたしかに似合わない)。
『道路関係四公団民営化関係4法』について。
これは、小泉内閣で成立した郵政民営化の陰で、ひっそり?民営化された『日本道路公団』についての法律です。次の4つの法律からなります。
Ⅰ.会社の設立、業務等に関すること
高速道路株式会社法
Ⅱ.機構の設立、業務等に関すること
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法
Ⅲ.会社が有料道路事業を行う場合の手続き等に関すること
日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律
Ⅳ.民営化に伴う経過措置等に関すること
日本道路公団等民営化関係法施行法
各々の法律の内容は、後日、各々の法律の細かいところまで見ていこうかとおもいますが(わかる範囲で気力があれば)、今回は大雑把に解説していきたいと思います。
瀬戸PA(下り線)にて撮影 |
Ⅰ.『高速道路株式会社法』
1.会社の事業等
高速道路の管理エリアを規定。以下の6社を設立。
- 東日本高速道路株式会社
- 中日本高速道路株式会社
- 西日本高速道路株式会社
- 首都高速道路株式会社
- 阪神高速道路株式会社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
上記6社が、『独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構』と貸付料、貸付期間等を内容とする協定を締結する事を規定。
名古屋高速道路公社などの『公社』は、この法律に入らないという事です。
2.国との関係
- 政府(地方公共団体)は、総株主の議決権の 3 分の1以上の株式を保有。
- 代表取締役の選定、社債及び長期借入金等については、国土交通大臣の認可が必要。
- 当分の間、政府の債務保証が可能
東日本高速道路株式会社 財務大臣100%(2019年9月30日現在)
中日本高速道路株式会社 財務大臣100%(2019年3月31日現在)
西日本高速道路株式会社 財務大臣100%(2019年9月30日現在)
首都高速道路株式会社
- 財務大臣 49.99%
- 東京都 26.72%
- 神奈川県 8.28%
- 埼玉県 5.90%
- 横浜市 4.45%
- 川崎市 3.82%
- 千葉県 0.80%
(2019年9月30日現在)
阪神高速道路株式会社
- 財務大臣 50.0%
- 大阪府 14.4%
- 大阪市 14.4%
- 兵庫県 9.1%
- 神戸市 9.1%
- 京都府 1.5%
- 京都市 1.5%
(2019年9月30日現在)
本州四国連絡高速道路株式会社
- 財務大臣 66.63%
- 兵庫県 6.15%
- 岡山県 4.30%
- 香川県 4.30%
- 神戸市 3.75%
- 広島県 3.71%
- 愛媛県 3.71%
- 徳島県 3.38%
- 大阪府 1.36%
- 大阪市 1.36%
- 高知県 1.36%
(2019年3月31日現在)
高速道路会社6社とも、国と都府県市で株式の100%を保有しております。将来、IPO(新規公開株)をした時でも、現行の法律では3分の1以上は株式を保有しなくてはいけないません。なので最大3分の2未満までしか株式を民間に流すことができません。
3.会社の合併
JB本四高速は、経営の安定性の確保が確実になった時点で、NEXCO西日本との合併をする事が決められています。
合併基準など細かい部分は記されておりませんが、NEXCO西日本とJB本四高速が合併するなんて楽しみです。
JB本四高速のSA・PAには、ハイウェイスタンプは一部ですが置かれております。NEXCO西日本と合併したら、ハイウェイスタンプブックの対象SA・PAとなるでしょう。今は対象SA・PAは無し。
Ⅱ.『独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法』
1.機構の業務等
- 高速道路に係る道路資産の保有・貸付け、債務の早期の確実な返済等を行う独立行政法人を設立。
- 民営化から45年後までに債務の返済を完了して解散する。
- 機構は各々の会社と全国路線網又は地域路線網ごとに協定を締結し、国土交通大臣の認可を受けて、貸付料、債務返済計画等を記載した業務実施計画を作成。
- 会社が建設した道路資産が機構に帰属するときに、会社が建設のために負担した債務を引き受け。
- 貸付料の額は、債務の返済に要する費用等を貸付期間内に償うよう設定。
高速道路会社6社が、お金を借りて道路設置し、設置完成後機構に道路資産や借金を帰属さる。高速道路からの収益金を貸付料として高速道路会社6社が機構に支払い、そのお金から、機構が債務(借金)を返す。という方式をとっています。
2.国との関係
- 政府等の出資及び災害復旧補助が可能。これをもとに機構は会社に無利子貸し付け。
- 長期借入金及び機構債券については、国土交通大臣の認可が必要
- 政府の債務保証が可能
Ⅲ.『日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律』
1.道路整備特別措置法の一部改正
会社は、機構と協定を締結し、工事の内容、料金等について国土交通大臣に事業許可を申請して事業を実施。
道路公団時代は施行命令方式(国が公団に何々をしろという命令を出す)を廃止して、自主的経営判断に基づく申請方式(道路会社が国に何々をしますよという事を伝える)に変える。
- 会社が建設する高速道路は、原則として、工事完了後に機構に帰属。
- 同時に会社が建設のために負担した債務は、機構が引受ける。
- 会社は貸付料支払という形で機構を通して債務を返済する。
- 会社は国土交通大臣の認可を受けて、供用約款を制定。
- 機構及び会社は、道路管理者の権限の一部を代行。
料金の額は、貸付料及び会社の維持管理費用を料金徴収期間内に償うよう設定。
※料金徴収期間とは、この協定に係る路線又は区間が供用開始された日から令和42年1月24日までらしいです。調べたのですが、このひとつ前の資料が「平成63年9月30日」となっているので、また延長されるかもしれません。(間違っていたらスミマセン)
2.道路法等の一部改正
自動車専用道路と連結できる施設として休憩所等の利便施設を追加等。
尚、「利便施設」とは、休憩所、給油所、商業施設、レクリエーション施設等のの事を言います(国土交通省HP、高速道路利便施設の連結 実施要領より参照)。
Ⅳ.『日本道路公団等民営化関係法施行法』
1.新たな組織の設立及び公団の解散に係る手続
会社及び機構の設立手続、公団から会社及び機構への権利義務の承継等並びに公団の解散について規定。
2.業務の引継ぎ等経過措置
供用中の高速道路は、該当箇所を事業範囲とする高速道路会社が管理・料金徴収を実施する。
建設中・調査中の高速道路については、国土交通大臣が会社と協議して、会社が建設を行うべき高速道路を指定(複数の会社との協議制)。
民営化後原則として6月以内に、会社及び機構は協定を締結し、それぞれ国土交通大臣の事業許可、業務実施計画認可を受けなければならない。
3.道路関係四公団法の廃止その他関係法律の整備等
地方税法などを整備したそうです。
4.施行期日
会社及び機構は、平成18年3月31日までの政令で定める日に成立。
5.検討
政府は、民営化後10年以内に、民営化関係法の施行の状況を検討して、必要な措置を実施。
尚、NEXCO東日本の資料によると、平成17年10月~平成26年3月の間(民営化後8年半)で、NEXCO3社で10.8兆円、NEXCO東日本だけで3.8兆円も機構に支払いました。平成26年の期首時点で21.3兆円の残高となっています(「1.民営化の目的とその達成状況」の資料より)。
今回の内容は、国土交通省(道路局)のHPの「道路関係四公団民営化関係四法の公布について」(平成16年6月9日)の「法整備」を参照にしました。
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